計略

「戦国の世においては、ときには計略も必要であろうな」
「左様にございますな。合戦も計略ひとつで勝敗が分かれることも多々ございまする。
かの関ヶ原の合戦においても、徳川家康殿の内応策というものは光りました。
そうでなくとも、諜報活動は敵情を把握するには欠かせぬものでありまする」
「ふうむ、ではなるべく多くの城に忍者を放たねば……」
「それに間違いはございませぬが、命令の回数には限りがございますから、あまり計略にばかり時間を割くのもいかがなものかと。
また、計略も使いどころが肝心にございまする。たとえば『諜報』については、周囲2つの距離ほどに絞るのがよろしいでしょう。」

内応

「計略といえば、諜報活動を行ったからには『内応』であろうが……成功するのか?」
「『褒美』を与えれば忠誠を高めるのはたやすくございますから、簡単とは言いがたいでしょう。
同様に、敵の忍者が自分の武将に『内応』をしかけてきても、寝返る心配は少ないといえまする。
……とはいうものの、気をつけなければならない場合もございまする。
『信教』が一向宗の門徒であったり、切支丹(キリシタン)であったりする場合でございます」
「うむ、本願寺との戦いでは一向宗の武将を戦わせるのは酷といえるし、徳川家康配下の本田正信も、三河の一向一揆に参加したほどであるしな」
「その通りにございまする。同様に、切支丹の結束は強いものがありますから内応に影響がありまする。
このように、武将同士の信教や相性がよければ、内応しやすく、引き抜きもしやすくなりまする。
ただ『引抜』は忍者ではなく武将自らが行いますゆえ、武将が捕まる危険がありまする。危ないことと心得ましょうぞ」

扇動

「さらに地味といえば『扇動』であるが……」
「いえ、『扇動』こそ、もっとも相手に痛手を与えることができる計略でございまする。
短期的には、上忍がしのびこんでも民忠が少しずつ下がるだけで、大した効果が無いように思えまする。
しかし1年、2年と経つころ、民忠が下がった領地では、ついには一揆が起こるのでございまする」
「おお、一揆か……一揆が起こると、商家や武家といった建物が打ち壊されるのではなかったか」
「左様にございまする。産業がのきなみ衰え、収入もなくなり、兵士も減りまする。」
「それは強力であるな」
「……たしかに相手の戦力には打撃を与えられますが、そのように治安が乱れ、民の信頼も無い領地を支配下とするのは、相応の覚悟が必要でありまする。
それに、そのように弱体化した領地が増えれば、その周囲の大名家は、かならずや攻め込むでしょう。
ひとつの敵を弱くするために、さらに大きな敵を作ってしまっては意味がありませぬ」
「うむ、やはり計略は、たやすく成功するものではなさそうだな」
「はは。行き過ぎた謀略は、自分の身に返ってくるのが常でございます。慎重になされるがよろしいでしょう」

流言

「私はこの『流言』というものが分からぬのだが……」
「周辺大名家との友好度を引き下げるものですが、はっきり言って使う必要はありませぬ。
実際の戦国時代には、そうたやすく兵を動かすこともできませんでしたので、周辺小大名を攻め込ませて漁夫の利を狙うという策もありますが、
ゲーム中ではそういう現実感はまだ実現できておりませぬ。できても、もはやゲームとは言いがたい難度になりそうでするが」
「大名が他の大名に攻め込むということが、大事業であるからな。流言ひとつでそうたやすく事は運ぶまいて」
「この流言で計算どおりに事を運ぶことができれば、もはやこのページを見る必要などありませぬ。」