魔法の王国 ジール

 クロノはまた新たな時代にたどり着く。新たな時代という事実に気づいたのは、その時代がこれまでのどの時代よりも寒いからだ。それゆえに、クロノはすぐにその時代が「古代」ということに気がつく。また、ロボは年代測定機によって12000 B.C.と断定する。しかし、クロノも、ルッカも、ロボもこの年代がどのような時代なのかを知らない。分かるのは、おそらく恐竜人のほとんどが滅んだことだけだ。じゃあ、人類はいったいどうなったのか?

古代: エンハーサ

 驚くべきことに、12000 B.C.には文明が栄えていた。それも、12000 B.C.の文明は1000 A.D.の文明よりも高度なのだ。なんと、人類は既に地上から天空に移住していた。エイラの時代から6500万年の間に、人類はこんな水準にまで進歩していた。

 だが、誰もがこのような文明を知らない。クロノが歴史を変えたせいで何かが変わってしまったのだろうか? いや、おそらくは何も変わっていない。この時代には、将来に何の遺跡も残さない超古代文明があったのだ。

入手アイテム
マジックカプセル、スピードカプセル

魔法

 6500万年の間に、人類は魔法を使いこなすようになっていた。寒冷化によって、おそらく人類は魔法を使わなければ生きていけなかったのだろう。エンハーサの市民は銀の髪をもっている。先史時代のラルバ村の人々の子孫だろうか。

王女と王子

 魔法都市はジール王国の一部だ。 ジール王国は女王のジールによって統治され、栄華を極めていた。 魔法を使える人々は永遠の繁栄を約束されている。 反対に、魔法を使えない人々は「地の民」と呼ばれ「天の民」とは区別されている。 そして「地の民」は繁栄から取り残されていた。 ジール王国の人々にとって、魔法は全ての価値基準であった。

 ジール王国の大部分の人々は、地上に降りることすらない。 「天の民」は、地上に留まっている「地の民」に出会うこともなかった。 そのジール王国の中でも、少数だが魔法に依存した文明に危機感をもつ人がいる。 サラは、ジール王国の王女でありながら地上に降りて「地の民」に接触することもある「天の民」としては珍しい考えをもつ少女だった。 その心優しさのために、サラは市民達からの人気を集めている。

 そしてジャキは、ジール王国の王子でありながら魔法を使うことができない。 また、ジャキはサラ以外の人間に心を開くこともない。 そのために、ジャキは市民達に不人気である。

 クロノはこのエンハーサでサラとジャキに出会う。 サラは、一瞬のうちにクロノがこの時代の人間とは異なることに気づいたようだ。 一方、ジャキは「黒い風が泣いている」と言い残す。

古代: カジャール

 カジャールはエンハーサよりも大きな魔法都市だ。 カジャールの科学者は、これまでクロノが手に入れてきた「カプセル」を製造している。 また、カジャール付近のスカイブリッジには「黒鳥号」が停泊している。 ただし、クロノは「黒鳥号」の内部を見ることはできない。

古代: ジール宮殿

 クロノは、カジャールから山の上に登るとジール宮殿に行くことができる。ジール宮殿は、ジール王国の中心部である。そこで、クロノはこの古代文明の重要な情報をいくつか手に入れることができる。

繁栄の陰り

 まず、天の民によれば、ジール王国はラヴォスのエネルギーを利用することによって繁栄しているという。そして、天の民はラヴォスのエネルギーを利用するために「魔神器」を作り出している。ラヴォスのエネルギーを扱うことに何も問題はないのだろうか?

 ジール王国の女王ジールは大部分の天の民から支持されている。しかし、一部の天の民は女王の方針を不安に思っているようだ。特に、ジールがラヴォスのエネルギーを利用していることについては、理の賢者ガッシュ・命の賢者ボッシュ・時の賢者ハッシュ三賢者が反対している。三賢者のうち、ボッシュは女王の命令によって魔神器を製造したものの、利用に反対しているらしい。しかも、最近では三賢者が行方不明だという。

 このように、最近になってジール女王は強引な性格になっているようだ。ジール女王の変化は、サラに最も大きな影響を与えている。魔神器を起動するにはサラの魔力とペンダントが必要だからだ。ジール女王は、サラに命令して魔神器を起動させている。サラはラヴォスを利用することを望んでいないが、母であるジール女王には逆らうことができないでいる。

2つのペンダント

 サラが女王のつかいに呼び出される。弟のジャキは引き留めるが、サラは女王に逆らうことができない。クロノがサラを追いかけると、サラが「ペンダント」を使って女王の部屋の扉を開けるのを見ることができる。そのペンダントはマールのものにそっくりだ。しかし、クロノが同じように女王の部屋を開けようとマールのペンダントを掲げても、扉を開けることはできない。

 クロノは魔神機の間に行く。そして、クロノはマールのペンダントを掲げると、ペンダントに魔力を注ぎ込むことができる。これで女王の部屋の扉を開けることができる。ペンダントも魔神機もドリストーンから作り出されたものだ。ドリストーンはこの時代には貴重な鉱石とされている。おそらく、ドリストーンは魔力を媒介する鉱石であるために重宝されたのだろう。

女王

 女王の部屋で、サラは女王に魔神機を起動するように命じられている。サラは考え直すように懇願するが、女王は取り合わない。そこにクロノが来る。女王はクロノがどこからか訪れていることを既に知っているようだ。そして、クロノもまたラヴォスの力を利用することに反対しているために、女王はクロノをダルトンに命じて捕らえる。

出現ボス
ダルトンゴーレム

 クロノはゴーレムを倒すが、結局はジールの魔力によって捕らえられてしまう。魔力のせいで動けないクロノをサラが解放する。そして、サラは命の賢者ボッシュが「なげきの山」に捕らえられていることを明らかにする。三賢者ですらジール女王によって排除されているのだ。サラはジール女王を止めるために、クロノに望みを託そうとする。

 しかし、そこに預言者が現れサラを脅迫する。預言者はクロノの命を助ける代わりに、クロノをジール王国から追放する。預言者はさらに、サラに命じてゲートを封印させる。ジール女王を止める望みを絶たれ、サラは絶望する。